男木島の舞台と公民館

男木島(おぎじま)の港に降り立ち、前方やや左手に少し歩いたところに白い壁の南北に長い建物があった。

外から島を訪れた人の多くはこの建物に関心が向かうようだった―

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(白い壁の建物 2009年)

 

この建物は、もともとは公民館として利用されていた。

内部の天井は高く、西側にステージが設けられ、その反対側の上方には映写機用の窓もあった。

島の人たちは、ここで観劇をし、映画も楽しんだ。

また、小学校に体育館ができる前には運動を行う場所としても使われた。

 

公民館が建つ前には「舞台」と呼ばれる屋根をもつステージがあった。

ここでは、毎年夏に島外から役者が来て、夜に芝居が上演された。

当日、島の人は日中から弁当をつくり、子どもたちは夜眠くならないように昼寝をさせられた。

 

観客席は外にあり、島内の組ごとにくじ引きで席を決めた。

ステージに向かって中央縦のラインが最もよい席で、その左のラインが二番目、中央ラインを挟んで反対側が三番目、という具合だった。

 

芝居は夕暮れから始まり夜中まで行われた。

当時は現在のような堤防もなく、舞台のそばまで海が迫り、芝居の終了が満潮時に重なると、観劇を終えた人たちは波打ち際を歩いて家路に着いた。

 

島の若者が歌舞伎などを演じることもあった。

なかには、役の指導にあたっていた人の目に留まった子どももいた。

その子どもは、島外での泊まり込みの稽古に励み、そこでの舞台に出演したという。

  

白い壁の建物が多くの人を惹きつけていたのは、この場に島の人たちのさまざまな思い出が詰まっていたからだろうか。

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(中央やや左にあるのが白い壁の建物 2007年)

 


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