野忽那島の蛸壺漁

「僕は陶器を使うことが多かったんで。プラスチックはセメントを入れんと使えんのですよ。プラスチックはフジツボがついても掃除もしにくいんですよ。」

 

蛸壺漁に使う蛸壺には陶器のものとプラスチック製のものがある。

野忽那島(のぐつなじま)で蛸壺漁に携わる尾崎さんは、主に陶器の蛸壺を使っている。

慣れている点に加えて、プラスチック製に比べて陶器製の蛸壺のほうがメンテナンスがしやすいというのがその理由だ。また、値段も陶器のほうが安い。

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尾崎さんの蛸壺漁は、毎年11月半ばから翌年9月末までが漁期だ。

1本のロープに陶器製やプラスチック製の蛸壺、約130個を付けて海に沈める。

そのロープを何本も沈めるから、漁で使う蛸壺は最盛期2000個にもなるという。

タコが獲れるときには2日後に、あまり獲れないときには1か月ほどしてからロープを引き上げる。

すると蛸壺の中にタコが入っているという訳だ。

 

ただし、5年ほど前から忽那諸島周辺ではタコが激減しており、最近では、蛸壺のロープ1本に対して獲れるタコが2~3匹ということもあるという。 

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(宇多津の蛸壺〔左〕と安芸津の蛸壺〔中・右〕)

 

漁師3代目の尾崎さんが蛸壺漁を始めてから20年以上になる。

尾崎さんが漁を始めるころ、陶器の蛸壺を宇多津(うたづ)から購入した。

それまでは安芸津(あきつ)産の蛸壺を使っていたが、何らかの理由で仕入れることが難しくなった。

そこで、釣島(つるしま)の漁師に紹介してもらい、宇多津の蛸壺を使うようになったという。

 

プラスチック製の蛸壺は、島周辺の海底が岩場で漁をする人が使っている。陶器だと割れてしまうからだ。

尾崎さんはプラスチック製蛸壺も使ってはいるが、海底が砂地の沖合を漁場とするため、特にプラスチック製にこだわる必要はない。

冒頭の理由もあって、主に用いるのは陶器製の蛸壺となっている。

 

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(野忽那島)

 


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