小手島の蛸壺漁

人口39人*1の島に5,000個を超える蛸壺。

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蛸壺漁が解禁される5月になると小手島(おてしま・香川県丸亀市)の港には多くの蛸壺が並ぶ。

そのほとんどは船具屋から仕入れる樹脂製の蛸壺である。

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f:id:norimatsu4:20150530163613j:plain (所有者がわかるようにカラーリングが施された蛸壺)

 

それでも島の中には陶器製の蛸壺も積み重ねられている。割れているものも多く、現在は漁に使われていない。

小手島では陶器製の蛸壺を多度津(たどつ・香川県多度津町)から購入していた。多度津で蛸壺が生産されなくなった後*2宇多津(うたづ・香川県宇多津町)の蛸壺を使っていたこともあったという。

陶器の蛸壺は周囲をセメントで固められている。二見(ふたみ・兵庫県明石市)でもみられる陶器が割れないようにする工夫だろう。

 

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(セメントで固められた陶器の蛸壺。多度津産という)

 

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(蛸壺を結びつけた縄を沈めるためのおもり。近隣の広島で採れる青木石か)

 

また、数は少ないがアカニシの殻の蛸壺もある。イイダコ漁に用いられる蛸壺で、同様の漁法は幕末のシーボルトの記録にも登場する。

現在の小手島では、アカニシ殻でイイダコを獲るのは1軒のみという。

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(アカニシの殻をイイダコ用の蛸壺に)

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(アカニシの殻をイイダコ用の蛸壺に。セメントで固められているものもある) 

 

小手島ではタコ漁に加えてイカナゴ漁なども盛んに行われている。漁業の神・エビスを祀るほこら、プールに描かれた漁の絵などからは、島と漁の結びつきの強さが垣間見える。

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(港には漁業の神・エビスが祀られる)

 

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(小中学校のプールに描かれた漁。漁船の表現にはリアリティがある)

 

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*1:2015年5月現在。丸亀市の資料による。

*2:多度津での蛸壺生産終了は1990年代と思われる。

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