2014-01-01から1年間の記事一覧

安芸津の蛸壺生産

道路沿いに突如現れるレンガ積の構造物。ドーム状の天井をもつ部屋が階段状に10房連結し、側面には太い鉄管が通る。下から上まで20mはあるだろうか。 安芸津(あきつ 広島県東広島市)に所在するこの構造物は福原製陶の登り窯である。福原製陶は一度に6,000…

鬼が島となった女木島と鷲ヶ峰貝塚の発見

鮮やかなブルーの海を背景に、起伏のある島が描かれる。山頂にはぴんと張った旗が誇らしげに立つ。島にいる鬼や子供はどこかコミカルだ。「鬼ヶ島」と題されたこのフライヤーは1937年(昭和12)に大阪商船(※)が発行したもの。旗に入っているのは大阪商船の…

二見で使われる宇多津産蛸壺

大規模な漁港を抱える二見(ふたみ 兵庫県明石市)。 幕末に港湾施設が整備され、それを顕彰する「二見浦築港記念碑」が建っている。 蛸壺漁が盛んな地らしく、港では数多くの蛸壺を見かけることができる。 プラスチック製のもの、塩化ビニル管を加工したも…

小豆島の水車と製粉、素麺生産

小豆島最大の川、伝法川(でんぽうがわ)とその支流、殿川(とのがわ)沿いには錆に覆われた大きな鉄の輪があちこちに残る。 年月を経た輪は、昭和30年代まで(1960年前後)この地で活躍した水車の残骸だ。 水車は川から引いた水の流れで回っていた。水車の…

宇多津の蛸壺生産

回転する粘土から次々に壺が生み出されていく。これらはやがて蛸壺となって遠く離れた漁師の手に渡り、海の中で活躍することになる。 香川のほぼ中央、宇多津町の鍋谷(なべや)では蛸壺をつくっていた。 祖父の代からこの地で蛸壺屋を営んでいたという藤原…

青島の井戸

青島(あおしま 愛媛県大洲市)の港に降り立つと、何十匹ものネコの出迎えを受ける。 ネコを目で追いかけていると、定期船から桟橋を伝ってホースが伸びていることに気づく。 くすんだ灰色のこのホース、直径10cm程度と頼りなさそうに見えるが、島の飲料水を…

シーボルトが訪れた与島のドック

幕末に日本に滞在したドイツ人、シーボルトは瀬戸内海の航行途中に与島(よしま 現・坂出市)を訪れた。 著書『日本』には、与島に船を修理するドックがあったと記されている。 「ドクトル・ビュルガーと私は一艘の舟で与島に渡り、塩飽というたいへん好まし…

小豆島のトンド

高さ数メートルにもなる小豆島のトンド。 トンドは松や竹、バベ(ウバメガシ)などを組んだもので、1月中旬の早朝、正月に飾ったしめ飾りなどととも炎に包まれる。 かつての小豆島では、トンドを男の子の行事として位置づけていた。 男の子だけで山に入って…